昨年の大震災とそれによって起こった福島原発のメルトダウンについて、ホームページに何か書くべきだと思ってきました。多方面にわたる深刻な影響を知るたびに、何を書くべきかわからなくなります。
私たちが生きているということは常に危険の中に生きているということは、いつも、震災以前も、今も変わらないことであるはずです。自分自身以前にもそれを感じていました。しかし、大震災と福島原発のことにより、以前感じていたものは深刻さの足りない、浅はかなものだったと感じたのです。私たちが生きていることは、もっと微妙なバランスの上にたっているものであり、危ういものなのだということです。だから、恐れ慄けということではないのです。もっと、生きていることの有難さ、つまり、有ることの難しさを感じるべきだと思ったのです。
震災からの復興、放射線被害についてもいろいろ考えることはあるのですが、1 年たった今でも自分は何を書くべきなのか、定まりません。自分自身は、心に決めたことはありますが、それは個人的なことであり、自分だけに関することで他人に知らせるようなことではないのです。しかし、教壇にたつものとして、教える立場にあるものとして、自分の感じること、考えることを何らかの形で書きとめるべきだと思い続けています。何か、書けるときになったら書きとめたいと思っています。
2012年4月23日 江田 勝哉