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学生の諸君へ(「自分の頭を使って考えること」のつづき)

江田 勝哉

1年何カ月か前に自分の頭を使って考えることが大変なことでかつ大切なことであるということを述べました. このことに付随したことについてもう少し書いておきたいと思います.

それは自分の頭で考えたことについての価値評価です. 普通,価値評価は他人によってなされることが多いと思います. 学校の入試も入社試験あるいは何かで授賞される場合,小さくは大学の成績など自分は評価に関与しません.
そのため人によっては,自分で決めることができないことだから難しく努力の価値があるようにいいます. けれどこれは間違いであり物事を小さく考える考え方で僕のおすすめできる考え方ではありません. 世の中で本当に大切なことはすべて自分で価値評価ができることでありたとえその価値評価が他人の評価と異なっていようとも最終的に大切な評価は自分の価値評価であることを忘れてはいけません. もちろん自分の考えが間違っていることに気がついたり,他人の評価が正しいと思えば当然自分の考え評価を修正するべきでしょう. しかし,どこまでいっても最終的に大切な評価は自分の価値評価なのです. だからこそ皆さんは自分で自分がわかっているかどうかあるいはよく物事が把握できているかどうか自分で判断できるように自分の頭を使って考えられるようにすることが大切なのです.

自分の頭を使って考えることはその本人しかできないことです. 他人がいくら代わりに考えてくれても意味のないことです. だからこそかけがえないものであり,皆さん一人一人が自分ですることなのです. 周りの人,先生たちは手助けはできます,でも本人がこれをしようとしなければどうしようもないことです. たとえ偶然何か他人にほめられるようなことが出来たにしてもここでいっている意味では自分でよくやったと思えない限り意味のないことです. 逆にたとえ他人の評価は悪くとも自分なりによくやったと思えればそれはとても意味のあることです.


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著作:平成9年4月23日 江田 勝哉