1. 自分で、自分に力がつくようにものごとを進める必要がある。
2. 人の能力はかなり時間をかけてのびていくものなので、とくに大学のときだ
け延びるものではないのだが、10代後半から20代に基本的な考え方、力がつく。
例年、数学の新入生に、大体 4/5 の人が数学を理解しないで卒業するといって
きた。ことしは担任であるので、刺激を与えるだけでなく、理解できる道を示
唆するという必要があるかと思い、多少丁寧に説明する。
「聴いていれば、はじめはわからなくても、だんだんわかるようになる」といわ
れる先生がいらっしゃるが、これは気休め以外のなにものでもない。聴いたこと
を、集中して考えた後に、だんだんわかるようになる、というのが正しい。
(1) 定義を覚える。
(2) 例を3つあげ、それが定義を満たすことを確認(証明)する。似て非な
るものを、1つ、2つあげ、それが定義を満たしていないことを確認
(証明)する。
(3) 証明の中で、仮定、定義がどこでどう使われるかに注意する。
「後で勉強すればわかるようになる」というのは能率が悪い。最初に定義が頭に
入ってから、長い時間の後にわかるようになるので、一度、定義を頭に入れるこ
とが大切である。
何ができるようになるか?
ものごとの論理的な筋をとらえることが、できるようになる。一般に世の中のこ
とは論理的にできていない。しかし、多くの人の存在する社会では、ものごとを
筋道をつけておく必要があり、そのため論理性は大切なものである。
数学には実験がないので楽だと思っている人がいるが、実験はある。それは各人が
時間をかけてよく考えることにある。実験装置が、個々の頭の中にあるので、こ
れがスムーズに動くように、毎日手入れをしておく必要がある。装置のシステム
は入れ換えたり手入れをすることにより、高性能にもなるし、動かなくなること
もあるので注意する。
2008年4月1日 江田 勝哉