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情報学科新入生諸君:
皆さんには、1年後期の集合と論理の時間に会うことになります。授業では、皆さんが自分の頭を使って物事を論理的に数理的に考え、処理することを教えます。これを、つまり「自分の頭を使って物事を論理的に数理的に考え、処理すること」を、実行できるようになれば、各人が自分なりに考え、自分の力を伸ばし、その力をそれなりに発揮できるようになるでしょう。
ともかく、授業はそのような目標をもって行います。ところで、このように伸ばした自分自身の力は何に使ったらよいのでしょうか?それは皆さんの勝手です。皆さんが自由に考え勝手に使えばよいというのが基本です。しかし、現在の社会の状態を見ていると、ただ黙っているのは不親切で良くないと思い、僕のお薦めする使い方をお教えします。
「自分を律し、社会に貢献する」ことです。人間は社会の中に生き
ています。この社会を支えるのは一人一人の人間です。もちろん一
人の力で支えられるものではありませんが、支えようとする人が少
なくなればその社会は崩壊します。現在の日本の社会では、「社会
に何らかの形で貢献しよう、あるいは、社会の一部を担っていこう」
と考えている人が少ないように見えます。その意味では既に日本の
社会は崩壊しています。優秀な頭脳をもっていると思われる人たち
が自分の事ばかり考えて、「社会にとって、人間にとって何が本当
に大切なことか」ということに考えが及んでいないように見えます。
将来、まともな社会にしていくには皆さんの努力が必要です。「社
会にとって、人間にとって何が大切なことか」ということは、いつ
もそのことを考えていないと大切なときに、その考えに従って行動
することが出来ません。皆さんはこれらのことを日頃から考えてお
くことが大切です。これは、簡単なことではありません、けれども
誰でもできることであり、大変意味のあることです。
以上。
情報学科 江田 勝哉
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1998年4月9日作成
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