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情報学科 1 年生 2 年生の諸君へ

皆さんの先輩たちが僕の講義の単位の出し方についてどうも誤解をしており、そのために本人が不幸な目にあっていると思われるので、ここであらかじめ説明しておきます。皆さんは、僕がやさしい先生だと思うらしいのです、そして僕もやさしい先生だと自分で思っています。ですから、一見何の問題もなさそうなのですが、これが誤解のもとなのです。僕は皆さんがある程度のことを理解して卒業する手助けをしているつもりです。そのため、理解の程度が極めて低いまま卒業することがないように、追試あるいは再試をレポート提出などでしないようにしています。試験あるいは口頭試問によって理解度をチェックしています。その程度は決して高いものとは思えません。「これが理解できなければ、情報学科卒業に値しない」と自信をもっていえる程度です。しかし、皆さんが「理解」というものを「記憶」で代用しようとするならば、僕の口頭試問を通過することは極めて困難でしょう。それは、皆さんが「記憶するだけでなく、自分の頭を働かせて考える」ことが僕の授業の大きな目的だからです。記憶するだけで単位をとれないようにとても努力をしています、その意味で大変やさしい先生なのです。「やさしい」ということがよくわかるように、実例をあげておきます。もう2年位まえになりましたが、過年度生で就職の内定している学生が単位の相談にきました。その年は1/2 の単位未修得者をだしたので5月に3回補習をして、再試験をしました。その学生は落ちて再履修しました、しかしその年の試験も落ちました。就職はその年も内定していました。その学生は単位を出してほしいと頼みにきました。1月でしたので、1、2月中に口頭試問を受けるようにいいました。結局、連絡がなく、卒業することができませんでした。僕は全く、かわいそうだと思っていないのです、「卒業しなくてよかった」と思っています。「やさしい」というのはこういうことです。
皆さんが自分の頭を使って考え、ある程度以上の理解に達して卒業されることを願っています。

情報学科 江田 勝哉


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1998年4月9日作成
(c) 1998 Katsuya Eda